スリーラインズ株式会社の陸上養殖
当社は高知大学の特許技術を活用して「陸上養殖」に取り組んでいます。
種苗(胞子)生産から収穫まで自社内で全て完結しており、
まるい球のような核の状態にした「きぬ青のり」は、循環する水流に漂いながら光合成して成長していきます。
通常のスジアオノリの漁期(冬~春)と関係なく、光合成で育った時に収穫しています。
そして、一番の特徴は岩盤でろ過された打ち抜きの井戸海水を使用していることです。
このろ過された井戸海水によって不純物が極めて少なく、甲殻類アレルギーフリーの「きぬ青のり」を養殖できるのです。
スリーラインズの養殖施設~培養室・養殖場~
私たちの陸上養殖による生産
弊社ではスジアオノリの種苗の採苗から育成、生産までにとどまらず加工販売まで一貫して行う六次産業として手掛けています。
母藻の成熟と採苗方法は、特許に基づいて行っており、採取した種苗は「胞子および発芽体の集塊化による海藻養殖法(特許登録第3828359号)」を軸に生育しています。
安定した年間生産を可能に
採取後は、一つひとつが肉眼で確認できる大きさになるまで屋内で育苗し、一定の大きさになったら屋外へと移し、打ち抜きの井戸海水をかけ流しながら、充分に光合成できるように側面も透明なタンクで育成しています。
このようにして、年間通して生産しています。
天然養殖と陸上養殖の違い
スジアオノリの主な産地として、徳島県吉野川や高知県四万十川の河口汽水域が有名で、一般的にスジアオノリは二通りの方法で生産されてきています。
一つは宇和島市津島町岩松川のように、自生しているスジアオノリを道具を使用して刈り取る方法。
もう一つは徳島市吉野川河口のように、種をノリ網に付着させて川の推進に合わせて張り方を変え養殖し、生育したスジアオノリをノリ網ごと船で収穫する方法です。
採苗技術の進歩により、天然採苗のみであった時期と比較して生産は安定化するようになりましたが、収穫期の秋冬に水温が下がらずスジアオノリの成長に影響したり、自然災害によって養殖網が流出したりなどまだまだ課題はあります。
生産・製造工程のポイント
弊社では、スジアオノリの種苗の採取から加工品完成まで、すべての工程を自社内で商品製造工程もすべて手作業で完結しています。
季節や天候等で成長速度の差は生じるものの、オールシーズンで養殖しています。
特許技術によってスジアオノリ同士の根っこにあたる部分を絡ませて核のようなものを形成するようにして、循環させている水流に浮遊させ、比較的均一に光合成する環境を整えることで成長させています。
岩盤でろ過された抜き打ちの井戸海水を使用し、陸上でビーカーやタンクに分けて養殖しているため、異物混入を防いでいます。
何よりも安全・安心を追求し、異物検査の回数もできる限り行っております。
品質管理情報
【商品検査の内容】
収穫・洗浄・並べ・パッケージング時に目視検査、金属探知、一般生菌検査(年1回)、大腸菌検査、甲殻類タンパク質検査
【衛生管理への取組】
生産・製造工程の管理…原材料の管理、器具の洗浄
従業員の管理…5Sの教育、服装の徹底
施設設備の管理…電解水生成装置導入、専門業者による機材の保守点検、空調管理