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「海苔の栄養素が知りたい……」
「海苔を毎日食べてるけど、食べ過ぎって体によくないのかな?」
こんな疑問はありませんか?
海苔の栄養素を知らずに海苔を食べ続けていると、体に影響する場合があります。
本記事では海苔の栄養と併せて、海苔の適切な摂取量について解説します。
最後まで読むと、海苔の栄養素について理解ができ、食べ過ぎ防止になるでしょう。
この記事の監修者
山内満子
2008年、遊子漁協女性部部長に就任。2016年までの8年間、地域の生き残りをかけた地域活性化、魚食普及活動に部員と共に奔走。その活動が認められ、2012年第17回全国青年・女性漁業者交流大会、地域活性化部門において「農林水産大臣賞」、第51回農林水産祭(新嘗祭)水産部門において「内閣総理大臣賞」他、多数受賞。更なる魚食と養殖漁業のPRのため、2016年9月にスリーラインズ株式会社を立ち上げ、新たな水産イノベーションに取り組むための活動を開始。現在、愛媛県宇和海の高級スジアオノリ「きぬ青のり」を養殖している。
海苔はミネラル、特にヨウ素が豊富に含まれている食品です。
適量を摂取することで、健康効果を期待できますが、食べ過ぎると以下のような影響が考えられます。
ヨウ素は甲状腺の機能に関わっており、適量摂取することは重要です。
しかし、過剰に摂取すると甲状腺の機能障害を引き起こす可能性があります。
特に、甲状腺の疾患を持っている方や、ヨウ素に対して過敏な方は注意が必要です。
加工された海苔製品は塩分を含むことが多く、過度に摂取することで高血圧のリスクを高める可能性があります。
海産物には一般的に重金属が含まれることがあります。
海苔も例外ではなく、特に鉛やカドミウムなどの重金属が含まれる可能性があります。
これらの摂取は長期的に健康リスクとなる可能性があります。
稀に、海苔や海藻に対してアレルギー反応を示す方もいます。過剰摂取によりアレルギー症状が現れることも考えられます。
これらの点を踏まえて、適量の摂取を心がけることが重要です。
食生活全体のバランスを考慮しながら、過剰摂取を避けるようにしましょう。
海苔の栄養素は以下のとおりです。
海苔はその成分の約4割がタンパク質であり、これには身体に必要不可欠な9種類のアミノ酸が含まれています。
このため、海苔のタンパク質は非常に質が高いと評価されています。
人の体の約15~20%はタンパク質でできているので、タンパク質の摂取は極めて重要です。
そして、高タンパク質でカロリーが低い食品が理想的とされている中で、海苔はまさにその条件を満たす食品といえます。
タウリンは、牡蠣やたこ、ほたてなどの食材に多く存在する特定のアミノ酸です。
多くの人々が、タウリンがエネルギードリンクなどに使用されることから疲労回復効果を持つ成分と認識しています。
さらに、タウリンは悪玉コレステロールの低下、動脈硬化や血管の問題、心の疾患、心筋梗塞のリスク軽減に寄与するとされています。
また、肝臓機能の向上や、慢性肝炎、白内障、糖尿病のリスク低減にも関与すると考えられています。
これらの健康効果を踏まえると、頻繁にアルコールを摂取する方には、タウリンを多く含む海苔をおつまみとして取り入れることが、肝臓の健康維持に役立つと言えるでしょう。
葉酸はビタミンBの一種で、特に胎児の成長に必要な栄養素として知られています。
妊娠を希望する女性や妊娠初期の女性には、この葉酸の摂取が特に推奨されています。
さらに、葉酸はビタミンB12と並び、造血ビタミンとも称され、赤血球の健全な生成をサポートする機能があります。
葉酸の不足は少数ですが、「巨赤芽球性貧血」という状態を引き起こすことが知られています。
葉酸を豊富に含む食材として海苔が挙げられます。
そのため、妊娠を計画している方や貧血の懸念がある方は、海苔を食事に取り入れることを検討すると良いでしょう。
ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸として知られ、これらは脂溶性のビタミンとして分類されます。
さらに、植物が持つβ-カロテンは、私たちが摂取すると、小腸の上皮細胞でビタミンAへと変わるため、これをプロビタミンAやビタミンAの前駆体とも呼びます。
これもビタミンAの一族と見なされます。
海苔はビタミンB群が豊富に含まれる食材です。特に、B1、B2、B12、そして葉酸が挙げられます。
ビタミンB1とB2は、私たちの体が糖質をエネルギーに変えるプロセスに必須です。
また、葉酸とビタミンB12は、正常な赤血球の生成をサポートする造血ビタミンとして知られており、健康的な血液循環のために非常に重要です。
要するに、海苔はこれらの価値ある栄養素をたっぷりと提供してくれる食材といえるのです。
ビタミンCは「アスコルビン酸」とも呼ばれ、人体におけるコラーゲンという結合タンパク質の生成に欠かせない要素として知られています。
コラーゲンは私たちの骨や腱などの健康を保つために必要です。
ビタミンCが不足すると、コラーゲンが適切に生成されなくなり、これが原因で血管が弱くなりやすく出血を引き起こすことがあります。
この状態は壊血病と称され、気分の不調、顔色の悪さ、貧血、筋力の低下、心臓に関する問題、呼吸の難しさなどの症状が現れることがあります。
加えて、ビタミンCには毛細血管や歯、軟骨を健康に維持する機能や、皮膚の色素生成を制御し日焼けを防ぐ効果、さらにはストレスや風邪などの疾患への耐性を向上させる役割もあります。
海苔は、赤血球の生成をサポートする鉄分を持っています。
この鉄分は非ヘム鉄というタイプです。
非ヘム鉄は一般に、ヘム鉄よりも体に吸収されにくいとされています。
とはいえ、海苔には非ヘム鉄の吸収を向上させるビタミンCも同時に含まれているため、鉄分を効果的に摂取するのに適した食材であると認識されています。
食物繊維は、たんぱく質に次いで多く、全成分の約36%を構成しています。
便秘の予防や血糖の安定化に役立つ食物繊維は、体重管理を目指す方や生活習慣病に気を付けている方にとって、意識して取り入れたい成分です。
カルシウムは、主に牛乳や卵などの食品で知られる、歯や骨の成長をサポートする重要な栄養素です。
実は、このカルシウムも海苔にはたっぷりと含まれています。
多くの現代人がカルシウムやミネラルの摂取が足りていないと指摘される中、海苔はこれらの貴重な栄養素をしっかりと補給する手助けとなる食材と言えるでしょう。
ヨウ素は、昆布やわかめ、のりなどの海草に豊富に存在するミネラルで、甲状腺ホルモンの生成に不可欠です。
日本は、ヨウ素摂取量が世界的にも高い地域として知られています。
ヨウ素を含む食品は健康に良いとされ、多くの健康食品にも取り入れられており、昆布をベースとした食品も推奨されることが多いです。
イコサペンタエン酸(EPA)
イコサペンタエン酸は、人体で自然に生成されない必須脂肪酸の一つです。
これは血液の流れを良くする効果や、悪玉コレステロールを減少させ、コレステロール全体のバランスを良くするなど、多くの健康効果が知られています。
この有益な脂肪酸、イコサペンタエン酸は、海苔にも多く含まれていることが確認されています。
結論から述べると、1日に「1.5枚〜2枚」海苔を食べるのが効果的に安心して毎日食べられる量とされています。
指定した焼き海苔の量、つまり太巻き2本、細巻き4本、軍艦巻き24個分は、一般的な摂取量として適正と考えられます。
この範囲内での摂取であれば、他の海藻類を含めた食事でも、ヨウ素や食物繊維を過剰に摂取する心配は低いと考えられます。
従って、このレベルの摂取量ならば、健康上のリスクは最小限に抑えられるでしょう。
今回は海苔の栄養と併せて、海苔の適切な摂取量について解説しました。
海苔は1日に「1.5枚〜2枚」食べるのが効果的に安心して毎日食べられる量とされています。
海苔の栄養素は以下のとおりです。
海苔は栄養豊富で健康的な食材となっています。
この記事を参考にぜひ、海苔の栄養素を理解して海苔の食べ過ぎに注意してください。
スリーラインズ株式会社では青のりの中でも磯の香りがとても強く、最も美味しいとされる最高級の青のり、スジアオノリ「きぬ青のり」を養殖しております。
品質の良いスジアオノリをお探しの方はぜひ以下のリンクからお問い合わせください。
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「海苔の歴史について知りたい」
「海苔の旬っていつだろう」
こんな疑問はありませんか?
本記事では、海苔の歴史と併せて、海苔の旬や焼き海苔を創案した人についても解説します。
最後まで読むと、海苔について詳しくなります。
この記事の監修者
山内満子
2008年、遊子漁協女性部部長に就任。2016年までの8年間、地域の生き残りをかけた地域活性化、魚食普及活動に部員と共に奔走。その活動が認められ、2012年第17回全国青年・女性漁業者交流大会、地域活性化部門において「農林水産大臣賞」、第51回農林水産祭(新嘗祭)水産部門において「内閣総理大臣賞」他、多数受賞に導いた。更なる魚食と養殖漁業のPRのため、2016年9月にスリーラインズ株式会社を立ち上げ、新たな水産イノベーションに取り組むための活動を開始。現在、愛媛県宇和海の高級スジアオノリ「きぬ青のり」を養殖している。
海苔(のり)は、食用に適した紅藻、緑藻、シアノバクテリア(藍藻)などの藻類から作られます。
日本では古代から「紫菜」や「神仙菜」としても知られています。
食べられる形に加工された海苔には、「生海苔」や「板海苔」などがあります。これらは日本料理でよく用いられ、ご飯の付け合わせ、おにぎり、巻き寿司、軍艦巻きなどの寿司種類、または麺料理(例えば、ざる蕎麦やラーメン)のトッピングとしても使われます。
海苔の歴史を時代別で解説します。
海苔は、日本の古代から縄文時代にかけてもすでに食べられていたとされています。
貝塚などの考古学的証拠からも、古代の人々が海岸で採れる貝や海藻を重要な食源としていたことがうかがえます。
また、「ノリ」という言葉自体は、「ぬらぬらとした」ものを意味しており、当初は柔らかい海藻類全体を指していたとされています。
現在私たちが一般的に「海苔」と呼んでいるのは乾燥させたものですが、その名前の由来は乾燥前の湿った状態にちなんでいるようです。
700年ごろ
「常陸風土記」は古代日本の地理や風俗に関する文献で、その中に海苔(のり)が初めて文字で記述されています。
文献によると、ヤマトタケル(倭武の天皇)が関東地方の霞ヶ浦を訪れた際に、浜辺で海苔が多く乾燥させてある様子を見たという話があります。
具体的には、「ヤマトタケルが海辺を巡って「乗浜(のりのはま)」と呼ばれる場所に到達したところ、海岸にはたくさんの海苔が干してあった」という内容です。
この海苔は、地元の人々によって「のり」と呼ばれていたとも記されています。
701年 大宝元年
日本で初めて成立した法典「大宝律令」(701年に制定)には、賦役令というセクションがあり、そこで「調」という、現代でいうと税金に相当する負担物の一つとして「紫菜(むらさきのり)」が記載されています。
「紫菜」は、現在の海苔に相当します。大宝律令においては約30種類もの海の産物が税としてリストされていますが、その中でも海苔は高価な品と見なされていたようです。
具体的には、海苔は「凝海藻(こもるは)」(今でいうところてん)などの他の海藻類よりも2倍以上の価値があったとされています。
法典が正式に施行された日は、新暦では2月6日に当たるため、1966年(昭和41年)にこの日が「海苔の日」として定められました。
710年 和銅3年
平城京には海藻類を専門に取り扱う市場もあったとされています。
具体的には、「にぎめだな」と呼ばれる店で海草類が販売されていた一方で、「もはだな」と称する店では、海苔や昆布を佃煮のように調理した加工品が販売されていたと言われています。
733年 天平5年
「出雲風土記」にも海苔に関する言及があります。特に、「楯縫(たてぬひ)の郡」という地域で高品質の「紫菜」(海苔)が取れるとされています。文献によって、海苔が当時からこの地域で採取されていたことが確認できます。
967年 康保4年
平安時代の法制度や儀式に関する文献「延喜式」には、海苔が皇室や高位の貴族への献上品、または供される料理の一部として特に重視されていたと書かれています。
この文献によれば、海苔はその他の海藻類に比べて最も価値が高かったとされています。この高価な海苔は、おそらく岩海苔であったと考えられています。
1053年 天喜元年
平等院鳳凰堂が完成して、天皇御幸の膳に青苔・海苔が出たと伝えられています。
1184年 文治4年
源頼朝が朝廷に伊豆産のアマノリを献上したといわれています。
1380年頃 室町時代初期
「庭訓往来(ていきんおうらい)」に茶懐石料理の菜として、塩海苔・アマノリ・青苔などが記されています。
1595年 文禄4年
豊臣秀吉が宴席で出された料理の中には、トサカノリや結び昆布と一緒にアマノリも含まれていました。
この時代においては、海苔は主に流木や岩に自然に生えているものを採集し、乾燥させて食用にしていたとされています。
つまり、この頃の海苔は自然環境で成長していたものをそのまま利用していたと思われます。
1596~1614年 慶長年間
浅草ノリの名が誕生しました。
1603~1624年 慶長8年~寛永元年
品川ノリ、葛西ノリの名が誕生しました。
1626年 寛永3年
徳川家光が二条城で焼き海苔を食べたそうです。
1718年 享保2年
最初の海苔養殖の試みが品川の海で「ソダヒビ」という設備を用いて行われました。
「ソダヒビ」は、葉を取り除いた枝を束ねたもので、海苔が生える基盤として使用されました。
ただし、この時点で海苔の胞子(種子)のつく方法が科学的に解明されていなかったため、養殖は経験と勘に頼るしかなく、その結果として収穫量は年によって大きく変動しました。
豊作の時は大きな利益が得られ、不作の時は借金が残るような状況でした。この不安定な性質から、海苔は「運ぐさ」とも呼ばれていたようです。
しかし、後に幕府の支援を受けて、海苔養殖は安定し、海苔は江戸の名産品となりました。
1772~1780年 安永年間
この時期に浅草での再生紙製造が非常に活発でした。
その製造技術が海苔に適用され、四角い板状の海苔が簀(す)を用いて漉き出されるようになりました。
1804年 文化元年
以前は、高品質の浅草海苔は品川から浅草に運ばれて製造されていました。
しかし、この時点から、浅草での海苔の漉き作業は減少し、品川や大森での生産が主流となりました。
江戸時代全体を振り返ると、海苔養殖によって生産量が増加し、紙の形になることで配布が容易になりました。
さらに、手巻き寿司などでの利用も拡大したことで、海苔は広く普及していったわけです。
1869年 明治2年
日本橋室町の山本が味附海苔を創製しました。
1871年 明治4年
東京下谷池之端の酒悦香泉が海苔佃煮を創案しました。
1877年 明治10年
日本橋山形屋が、焼き海苔を瓶詰めにし錫箔で封じたものを創案しました。
1912年 明治45年
三越呉服店が日本初の食品部を置いて、デパートで初めて海苔の扱いを始めました。
1919年 大正8年
日露戦争後の好況時代を迎え、東京や大阪などの都会のデパートが続々と海苔の販売を開始しました。
1924~1925年頃 大正13~15年頃
ノリ養殖が始まってから約300年経過し、その間一貫して「ヒビ」と呼ばれる方法が使用されていました。
しかし、この頃に新しい「網ヒビ」が開発されました。当時はシュロやパームといった天然の繊維が用いられていましたが、現在では合成繊維が使われています。
1949年 昭和24年
イギリスの藻類学者、キャサリン・メアリー・ドリュー氏が、海苔の生活環を明らかにしました。
特に、長らく大きな疑問とされていた「夏季に海苔がどこに存在するのか」という問題を解決しました。
1956年 昭和31年
愛知、広島、福岡、佐賀各県水産試験場及び熊本県ノリ研究所で人工種付けに成功しました。
1960年 昭和35年
「浮き流し養殖法」により、国内海苔生産量が38億枚を超えました。
浮き流し養殖法とは浮に海苔網を張る製法で、浅瀬だけでなく水深のある海でも海苔を養殖できます。
1973年 昭和48年
海苔の大きさが19㎝×21㎝のやや長方形に統一されました。
1980年 昭和55年
コンビニエンスストアで海苔のおにぎりが発売され、影響を与えました。
2001年 平成13年
諫早湾干拓事業に関し有明海海苔不作問題が政治社会問題化しました。
2013年 平成25年
「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の伝統的食材である「海苔」にも注目されました。
2019年 令和元年
山本海苔店の「味附海苔」が、宇宙用の日本料理として認定されました。
宇宙日本食とは、国際宇宙ステーション(ISS)で長期間過ごす日本人宇宙飛行士に、日本独自の味と食感を提供し、それによって仕事効率を保つか向上させることを目的とした宇宙食品です。
参考:https://www.yamamoto-noriten.co.jp/knowledge/history.php
11月頃から採られる海藻から作られた海苔は「新海苔」と称されます。
その味と香りは極上で、触感も優れています。
海苔のシーズンは11月から2月までで、主な産地は福岡県、佐賀県、愛知県などです。
特に、福岡と佐賀の周辺は大きな海苔の産地であり、有明海で育てられた海苔が多く収穫されます。
焼き海苔のアイデアを最初に思いついたのは大森の三浦屋田中孫左衛門で、1844年(弘化元年)にはガラス瓶に入れて販売を始めました。
その後、この製品は山形屋によって「貯蔵(かこい)海苔」として市場に出され、海軍からも購入されました。そのおいしさと長期保存が可能な特性が高く評価され、他の企業でも取り扱いが始まりました。
今回は時代別の海苔の歴史と併せて、海苔の旬について解説しました。
海苔のシーズンは11月から2月までで、主な産地は福岡県、佐賀県、愛知県などです。
海苔の歴史を学ぶことで、海苔に対しての興味関心が湧き、さらに興味がもてるでしょう。
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「海苔ってどんな種類があるんだろう……」
「海苔の種類別の料理の活かし方が知りたい」
こんな疑問はありませんか?
海苔の種類を把握しないと、料理に活かすことはできません。
本記事では、海苔の種類と併せて、海苔の歴史について解説します。
最後まで読むと、海苔の種類がわかり、料理に活かせます。
監修者
この記事の監修者
山内満子
2008年、遊子漁協女性部部長に就任。2016年までの8年間、地域の生き残りをかけた地域活性化、魚食普及活動に部員と共に奔走。その活動が認められ、2012年第17回全国青年・女性漁業者交流大会、地域活性化部門において「農林水産大臣賞」、第51回農林水産祭(新嘗祭)水産部門において「内閣総理大臣賞」他、多数受賞に導いた。更なる魚食と養殖漁業のPRのため、2016年9月にスリーラインズ株式会社を立ち上げ、新たな水産イノベーションに取り組むための活動を開始。現在、愛媛県宇和海の高級スジアオノリ「きぬ青のり」を養殖している。
海苔は特異な海藻で、「紅藻類 ウシケノリ科 アマノリ属」に分類されます。
このアマノリ属には大体30種類が存在し、その中でも特に食用とされる種類にはスサビノリ、アサクサノリ、ウップルイノリ、カイガラアマノリなどがあります。
日本では、養殖される海苔の大部分がスサビノリであるとされています。
多くの海藻は日光と乾燥に弱く、深い海底や暗い場所を好む傾向があります。
しかし、海苔はそのパターンに当てはまらず、海面に近い場所で育つ珍しい海藻です。
この独自の生態が、海苔が特に豊富なタンパク質やミネラル、ビタミン、色素を含む理由とされています。
一般的に海面近くで育つ植物は少なく、海苔がそのような特性を持つことで、他の海藻とは一線を画しています。
その結果、海苔はタンパク質やビタミン、ミネラルなどが豊富で、地球上で最初にそのような成分を多く含んだ植物とも言われています。
海苔(ノリ)が古代日本で食用とされていたという事実は、貝塚(貝の殻などが積み重ねられた古代のゴミ捨て場)などの発掘調査からも明らかです。
海岸沿いで暮らしていた縄文時代や上代の人々は、貝類や海藻を重要な食材として活用していたと考えられます。
「ノリ」という言葉自体は、「ぬらぬらとしたもの」を意味し、それが海藻一般を指していたようです。
多くの人が現在「海苔」と聞いてイメージする、四角くて乾燥した形状とは異なり、元々は新鮮で湿った状態の海藻全般を指していたとされています。
つまり、この言葉は乾燥させた現代の商品形態よりも、元々は生育している状態、すなわち柔らかく湿った状態の海藻を指して名付けられたというわけです。
加工法別の海苔の種類は以下のとおりです。
生海苔は、収穫後に洗浄と不純物の取り除きが行われ、そのままの「生」状態で提供される海藻です。
これは乾燥海苔を作る基本素材でもあり、さまざまな加工食品、例えば海苔の佃煮、にも使われます。
この生海苔は、冬季にしか市場に出てこないため、希少価値が高い食材です。
特に、その滑らかな口当たりとクリスピーな食感が愛されています。
食べ方としては、生魚の刺身同様にそのまま食べられるのが一般的です。
潮風を感じさせる独特の風味と微妙な塩分が特徴で、それだけで十分美味しいとされています。
ポン酢をかけて、酢の物として楽しむ方法もよく見られます。
家庭で佃煮を作る場合にも、生海苔は理想的な素材です。
そのままの風味を活かして、香ばしい佃煮を作れます。
乾燥海苔は、生海苔をきれいに洗って切り、一定の厚さに仕上げた後に乾燥させた製品です。
その形状から「板海苔」とも呼ばれます。
かつては家庭でよく使われていたが、現在では少なくなっています。
焼き海苔と乾燥海苔の主な違いは、使用方法です。
焼き海苔はそのまま食べられますが、乾燥海苔は自分で焼いて食べるのが一般的です。
焼かないと少し噛みにくい質感がありますが、焼くと風味が高まり、食感も良くなります。
海苔は焼くことでその風味が増すため、自分で焼くタイミングを選べる乾燥海苔は、多くの人々によって風味が優れていると評されています。
特に寿司店では、巻き寿司や太巻きを作る際に乾燥海苔が選ばれることもあり、風味を大事にする料理での使用には特にお勧めです。
焼き海苔は、乾燥海苔を火で炙ったもので、現在はスーパーマーケットなどで一般的に販売されている形態の海苔です。
この焼き海苔は、磯の風味がふんわりと漂い、歯触りがクリスピーであるという特長があります。
乾燥海苔に火を通すことで、その風味は幾分減少しますが、それでも十分に海苔の甘さと磯の風味を味わえます。
焼き上がっているため、料理の前に自分で焼く手間が省けるのが便利なポイントです。
一般的には、海苔を焼くことで消化が助けられると言われています。
そのため、乾燥海苔をそのまま食べるよりも、焼き海苔を使った方が身体に優しいとも考えられています。
焼き海苔は、おにぎりや天ぷら、ラーメンのトッピングとしてなど、多種多様な料理で使用されます。
日常的にお弁当におにぎりを入れたりする方にとっては、その手軽さと多用途性から焼き海苔が特に推奨されます。
青のりはアオノリと呼ばれる海藻を洗浄して乾燥させたもので、特にその鮮緑の色彩が際立っています。
多くの場合、粉末にされてお好み焼きやたこ焼きなどに散りばめられます。
この粉末形態の青のりは、食品業界ではポテトチップスや磯部揚げなどにも採用されており、独特の磯の風味と美しい緑色を料理にプラスしています。
また、粉にされていない状態の青のりも市販されており、これはスープや天ぷら、さらにはポン酢と組み合わせてサラダのドレッシングとしても活躍します。
青のりの魅力は、そのデリケートながらも際立つ海の風味と、鮮緑色が料理にもたらす視覚的な魅力にあります。
少量加えるだけで、料理に深みと色鮮やかさを与えてくれるので、料理愛好者にとっては非常に使い勝手の良い食材と言えるでしょう。
海藻別の海苔の種類は以下のとおりです。
アサクサノリは紅藻類のアマノリ属に属する特定の海藻で、かつては東京湾周辺で主に養殖され、浅草地区で加工されていました。
しかし現在は、主に九州の有明海など限られた地域でしか生産されていません。
この種の海苔は、乾燥させた際に少々赤っぽい色を呈しますが、炙ると驚くほど美しい緑色に変化します。
スサビノリはアマノリ属に属する紅藻の一種で、現代の海苔養殖の多数を占めています。
アサクサノリとは異なり、この海苔は色が深く黒く、表面には光沢があり、その質感がしっかりとしています。
ウップルイノリはアマノリ属の紅藻で、岩海苔として知られる代表的な種類です。
アサクサノリやスサビノリが乾燥海苔の製造過程で細かく裁断されて板状に成形されるのに対し、ウップルイノリはそのままの形で板に貼り付けられます。
この違いから、穴が開いたような独特の外観を持つことが多いです。
ただし、岩海苔として認定されるのは自生した天然のものだけであり、この外観の粗さが品質に影響を与えるわけではありません。
今回は、海苔の種類と併せて、海苔の歴史についても解説しました。
加工法別の海苔の種類は以下のとおりです。
それぞれの特徴を押さえると、料理に活かせます。
本記事を参考にぜひ海苔の知識を手に入れてください。
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